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2009年5月

2009.05.31

公文書の開示の実施状況(その3)

Img_5444_2

前回の記事(→公文書の開示の実施状況(その2))で言及した県の決定書の画像です(クリックすると拡大します)。

なお、このケースは異議申立てですから、行政不服審査法47条3項が適用されます。すなわち、処分庁である知事が自ら異議申立てを審査しているわけで、原処分をわざわざ取り消さないでストレートに変更するのが常識的でしょうね。結果的に事務の簡素化と経費節減にもなります。 

   行政不服審査法

 (裁決)
第四十条  審査請求が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を却下する。
2  審査請求が理由がないときは、審査庁は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
3  処分(事実行為を除く。)についての審査請求が理由があるときは、審査庁は、裁決で、当該処分の全部又は一部を取り消す。
4~6 (略)
 (決定)
第四十七条  異議申立てが法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、処分庁は、決定で、当該異議申立てを却下する。
2  異議申立てが理由がないときは、処分庁は、決定で、当該異議申立てを棄却する。
3  処分(事実行為を除く。)についての異議申立てが理由があるときは、処分庁は、決定で、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。ただし、異議申立人の不利益に当該処分を変更することができず、また、当該処分が法令に基づく審議会その他の合議制の行政機関の答申に基づいてされたものであるときは、さらに当該行政機関に諮問し、その答申に基づかなければ、当該処分の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを変更することができない。
4・5

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2009.05.29

公文書の開示の実施状況(その2)

Gazou2 サプライズがありました。
福島県のホームページで本日発行の福島県報(→こちら。10頁目)を閲覧したところ、“予想どおり”福島県情報公開条例による公文書の開示の実施状況が公表されていましたが、“予想外にも”私の異議申立がその内容から見事にオミットされているのです。
計上すべきところを故意に落としているとすれば、虚偽公文書作成等罪の成立の可能性すらあり得るでしょうから(内容虚偽の稟議書を作成して決裁を受け、それを使用して県報に登載した)、掲載内容からだけではわからない合理的な編集方針があったに違いありません。

(公文書偽造等)
第155条 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
2 公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前2項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(虚偽公文書作成等)
第156条 公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前2条の例による。

早速、福島県のホームページを参照し、情報公開を所管するセクションに、次のとおりメールで質問しました。

  総務部部次長(文書管財担当)様

 向暑の候、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
 さて、本日公開されました福島県報(平成21年5月29日付け福島県報定例第2084号)所載の「福島県情報公開条例により公文書の開示の実施状況を公表する件」(公告第289号)を拝見しましたところ、財団法人福島県職員共助会に係る情報公開請求に関して昨年度私がいたしました2件の異議申立(平成20年6月3日付け・11月10日付け)が計上されていませんでした。
 両請求ともに配達証明郵便で送付しており、県への到達を確認しております。また、平成20年6月3日付け異議申立につきましては、貴県から同年7月9日付けで次の内容の決定書をいただいているところです。

【主文】平成20年5月20日付け20人第457号による公文書開示決定の処分を取り消す。
【理由】上記異議申立人から平成20年5月6日付けで提出された公文書開示請求(以下「開示請求」という。)に対して、福島県知事は平成20年5月20日付け人第457号公文書開示決定通知書により昭和34年7月22日付けの「福島県職員共助会規約の一部改正の承認に係る発議書」を対象公文書として開示決定の処分(以下「原処分」という。)を行った。しかし、開示請求の内容は「財団法人福島県職員共助会」に関する公文書であったのに対し、原処分は財団法人設立前の「福島県職員共助会」に関する公文書をを対象公文書として開示決定したものである。「財団法人福島県職員共助会」の設立は昭和51年4月1日であることから、対象公文書は設立以降の文書でなければならないところ、原処分は昭和34年7月22日付けの公文書を特定したことは、対象公文書の特定に錯誤があったものと認められる。
 よって、行政不服審査法第47条第3項の規定に基づき、主文のとおり決定する。

 行政不服審査法第47条第3項とは、一部又は全部認容の場合でしたね。
 つきましては、前記の私の2件の異議申立が当該公表において計上されていない理由を教えていただければ幸いです(ご回答は、このメールへの返信として電子メールでけっこうです)。
 ご多忙かと存じますが、よろしくお願い申し上げます。

  平成21年5月29日

                                  ○○○○

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2009.05.27

稟議書

話題になっている「稟議書」ですが、福島県では「起案文書」という名称で、俗に「発議書」と称しているようです。
先の第一請願と第二請願提出後、つぎのようなほぼ同じ文言でそれぞれ情報公開請求しました。

「請求者が平成○○年○○月○○日付けで福島県知事に提出した財団法人福島県職員共助会に係る請願書による請願について、福島県知事が請願法第5条の規定に基づき“これを受理し誠実に処理し”たことを直接又は間接に推認することができる文書」

それに対して、“受理”の部分についての福島県からの回答中の「公文書の件名」は次のとおりでした。

第一請願 公文書の件名:平成20年8月6日付け請願書
第二請願 公文書の件名:平成21年3月11日付け請願書
                 請願書について(上記請願書の受理に係る発議書)

第一請願の「平成20年8月6日付け請願書」に収受印を押印したものは、請求した文書とは明らかに異なりますから、異議申立をしているところですが、未だ福島県からは何の回答もありません。

結局、第二請願の時点では、福島県内部で請願の受理の取扱いを「発議書」という形式をとるようになったということでしょう。大変けっこうなことですが、いささかおおげさな感がしました。請願書に「受理してよろしいか伺います」程度のメモ書きをして、決裁権者である総務部長まで回覧すれば足るような気がします。

なお、第一請願の時点では、請願の受理について決裁権者である総務部長の意思決定がちゃんとなされているとすれば、口頭での伺い・口頭での決裁がなされたのだろうと推察しています。仮にそうであれば、異議申立に対しては、当初の(一部)開示決定を取り消し、「そのような文書は保有していない」という決定を行えばいいだけだと考えるのですが、今に至るまで回答がないのが不思議でなりません。

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2009.05.26

閑話(その13)

この判決、原告側の主張が退けられた部分が興味深いですね。

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松江の公費拠出問題:助成金返還訴訟 共済会は一部返還を--地裁判決 /島根
5月19日16時3分配信 毎日新聞

 ◇記念品など「実質的には給与」
 松江市が市職員共済会に助成金を支出しているのは過剰として、市民団体「オンブズ・しまね」(渡部美津子代表)が市長らに対し、共済会から04年度拠出分約7000万円を返還させるよう求めた訴訟の判決が18日、松江地裁であった。片山憲一裁判長は「永年勤続記念品などは高額であり給与条例主義に反する違法な支出」として約366万円の返還請求を命じたが、他の福利厚生事業との重複や、資格取得などで現金を還付する制度については福利厚生目的に限定されているとして原告側の主張を退けた。
 判決によると、永年勤続記念品や結婚25年記念品などについて「実質的には給与」とし、地方公務員法などで定められている給与条例主義に違反するとした。しかし、共済会と県互助会などの福利厚生事業が重複している点については「松江市と同規模の他の地方公共団体が現に実施している福利厚生を原告が主張立証しない以上、厚遇であると断ずることはできない」などとし、原告側の主張を退けた。【岡崎英遠】

5月19日朝刊
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共済会と県互助会の関係がわからなかったのでネットで調べてみました。島根県市町村職員共済組合が、別途市町村職員互助会を組織して運営しているようですね。その運営資金は会員掛金と同率で自治体が負担しているようですから、個別の自治体の共済会にも自治体が補助金を交付しているとなると、市民感情としては疑問を抱くのも当然かもしれません。

もっとも、事業にのみ注目すれば、「福利厚生事業が重複」は地方職員共済組合と各都道府県の職員互助会でも同様でしょう。
以前の記事(→こちら)でも触れましたが、所得税法では、一定の要件の下に地方公共団体の職員が互助会に払う掛金が社会保険料として控除されています。その要件の一つが、「当該互助会の事業が、地方公務員等共済組合法第五十三条第二号から第十三号まで(短期給付の種類)に掲げる給付(当該給付に係る同法第六十一条(療養に関する退職又は死亡後の給付)の規定による給付を含む。)に類する給付のみを行なうものであること」ですから、掛金について控除を受けている互助会の事業は、必然的に地方公務員等共済組合の事業と重複することになるわけです。国のお墨付きということでしょうか。といより、その方向に誘導しているとしか思えません。

   所得税法施行令
 (社会保険料の範囲)
第二百八条 法第七十四条第二項(社会保険料の意義)に規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
 一 労働者災害補償保険法第四章の二(特別加入)の規定により労働者災害補償保険の保険給付を受けることができることとされた者に係る労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)の規定による保険料
 二 地方公共団体の職員が条例の規定により組織する団体(以下この号において「互助会」という。)の行なう職員の相互扶助に関する制度で次に掲げる要件を備えているものとして財務省令で定めるところにより税務署長の承認を受けているものに基づき、その職員が負担する掛金
  イ 当該互助会の事業が、地方公務員等共済組合法第五十三条第二号から第十三号まで(短期給付の種類)に掲げる給付(当該給付に係る同法第六十一条(療養に関する退職又は死亡後の給付)の規定による給付を含む。)に類する給付のみを行なうものであること。
  ロ イに規定する給付に要する費用は、主として当該職員が負担する掛金及び当該地方公共団体の補助金によつて充てられるものであること。
  ハ 当該互助会への加入資格のある者の全員が加入しているものであること。
 三 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和三十六年法律第百五十二号)附則第九条から第十一条まで(公庫等の復帰希望職員に関する経過措置)の規定による掛金

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2009.05.23

公文書の開示の実施状況

福島県では、条例の規定に基づき、毎年5月末の県の公報で、「公文書の開示の実施状況」を公表しています。
その項目の中に「不服申立ての状況」があり、平成19年度の新規の不服申立ては8件でした。
(→ こちら(8頁目下段)

平成20年度は、共助会がらみで私も2件の異議申立てをしました。

1件目(6月3日付け) → こちら ※認容
2件目(11月10日付け)→ こちら ※審理中

今年も「公文書の開示の実施状況」は、来週火曜又は金曜発行の福島県報に掲載されるはずですので、続報します。件名にはきちんと“財団法人福島県職員共助会”という言葉は入れるのでしょうね。

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請願再び、あるいは背任罪の成否(その5)

請願再び、あるいは背任罪の成否(その3)で触れた公文書開示請求に対する県からの回答です。2通に分かれていました。

○1通目(公文書不開示決定通知書)
【公文書の件名又は内容】
1 平成20年度において、財団法人福島県職員共助会が福島県の行政財産の使用許可を得ており、当該使用料が減免されている場合にあって、その減免の額を示す書面
2 平成20年度において、福島県の職員が財団法人福島県職員共助会寄附行為第20条第1項に規定する事務局の事務に従事している場合において、当該事務への従事が地方公務員法上の職務専念義務に反していない理由を示す書面
【開示しない根拠規定及びその理由】
開示請求に係る公文書については、保有していません。

○2通目(公文書開示決定通知書)
【公文書の内容】
行政財産使用許可申請書
指令書(17文第65-7号)
福島県職員録(平成20年6月1日現在)のうち該当箇所

開示請求の文言は次のとおりでした。

【公文書の件名又は内容】
1 平成20年度において、財団法人福島県職員共助会が福島県の行政財産の使用許可を得ていた場合において、当該許可の対象となっている行政財産の内訳及びその使用料の額がわかる書面(当該使用料が減免されている場合にあっては、その減免の理由及び減免の額を示す書面)
2 平成20年度において、福島県の職員が財団法人福島県職員共助会寄附行為第20条第1項に規定する事務局の事務に従事している場合において、その従事している人数及び当該事務への従事が地方公務員法上の職務専念義務に反していない理由を示す書面

結局、次の公文書を開示するという回答です。

1 平成20年度に財団法人福島県職員共助会が福島県から行政財産の使用許可を得ていた行政財産の内訳理由がわかる書面及び使用料の減免の理由を示す書面
2 平成20年度に福島県の職員が財団法人福島県職員共助会の事務局の事務に従事していた人数を示す書面

不思議なのは「当該事務への従事が地方公務員法上の職務専念義務に反していない理由を示す書面」がないということです。財団法人福島県職員共助会の事務は県職員の職務ではありませんから、地方公務員法の次の規定により、「法律又は条例に特別の定がある場合」として当該事務に従事しなければ、職務専念義務に反します。それらの法律又は条例の規定を印字した書面と、その規定に基づく手続を行っていることを示す書面がないとは信じられません。ストレートに「職務専念義務に反していない理由は何ですか?」と聞いても、単なる質問では県からの回答が保障されないので、公文書開示請求をしているわけなのですが。

 (職務に専念する義務)
第35条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

財団法人福島県職員共助会の事務への従事は、県の職員の職務であるという解釈をしているということなのでしょうか。

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2009.05.20

所感(その5)

話題の財団法人日本漢字能力検定協会(所管官庁は文部科学省)の理事・監事・評議員名簿は次のとおりです。

こちら

一方このブログで(のみ?)話題になっている財団法人福島県職員共助会(所管官庁は福島県)の役員・評議員名簿は次のとおりです。

こちら

共助会の方はなぜか肩書きの記載がありませんが、理事はほとんどが、評議員は全員が所管官庁である福島県の職員であることになっています。

   財団法人福島県職員共助会寄附行為
 (役員)
第14条 この会に次の役員をおく。
 (1) 理事長1名
 (2) 副理事長2 名
 (3) 常務理事1 名
 (4) 理事(理事長、副理事長、常務理事を含む。) 11 名
 (5) 監事3 名
2 役員のうち理事長は、福島県総務部長の職にあるものを、副理事長は、福島県総務
部次長(人事担当)及び福島県職員労働組合中央執行委員長の職にある者を、常務理
事は、福島県総務部人事総室職員厚生課長の職にある者をもって充てる。
3 前項の規定により役員に充てられた者以外の役員は、理事長が委嘱する。この場合
において、理事4 名及び監事1 名は、福島県職員労働組合の推せんにより委嘱するも
のとする。
4 理事及び監事は、これを兼ねることができない。
 (評議員)
第17条 この法人に評議員をおき、その定数は22 名以内とする。
2 評議員は、会員のうちから理事長が委嘱する。
3 理事長は、評議員のうち11 名を福島県職員労働組合の推薦により委嘱する。
4 第16条の規定は評議員に準用する。この場合「役員」とあるのは、「評議員」と読み替える。

この共助会の状況はどう考えても異常なわけで、国の“「公益法人の設立許可及び指導監督基準」及び「公益法人に対する検査等の委託等に関する基準」について”(平成8年9月20日閣議決定)でも次のように定めています。

4の(1)
 ⑤ 理事のうち、同一の親族(3親等以内の親族及びこの者と特別の関係にある者)、特定の企業の関係者(役員、使用人、大株主等)、所管する官庁の出身者(所管する官庁において常勤の職員として職務に従事した者とする。ただし、専ら教育、研究、医療に従事した者及び当該官庁における勤務が一時的(原則として、任期の定めのある場合は1期、任期の定めのない場合は3年程度以下)であった者は除く。)が占める割合は、それぞれ理事現在数の3分の1以下とすること。また、同一の業界の関係者が占める割合は、理事現在数の2分の1以下とすること。
4の(4)
 ④ 評議員及び評議員会に関し、前記(1) -①、③、④、⑦を準用するとともに、同一の親族、特定の企業、所管する官庁の出身者及び同一の業界関係者が占める割合は、評議員会を実質的に支配するに至らない程度にとどめること。

もっともこの事項も含めて、“あるべき基準”が広く遵守されていないことを前提に、次のように経過措置があったりするんですよね。

8.経過措置等
 (1) 所管官庁は、本基準に適合しない公益法人に対しては、原則として3年以内に本基準に適合するように指導する。
ただし、既に設立されている法人で、法人格を取得する手段が民法第34条によることに限られたため、公益法人となっている業界団体等に関しては、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的法改革を待って対応することとする。それまでの間は、所管官庁においては、当該業界関係者又は所管する官庁の出身者以外の者を、可及的速やかに監事とすることにより、公正さを担保するとともに、それぞれの定款等により定められた業務を適切に行うよう強力に指導するものとする。
 (7) 所管官庁は、「「公益法人の設立許可及び指導監督基準」及び「特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準」の一部改正について」(平成18年8月15日閣議決定)による改正時において、所管する官庁の出身者が占める割合を理事現在数の3分の1以下とする基準に適合しないこととなる公益法人に対し、現職理事の任期等に配慮しつつ、原則2年以内のできるだけ早い時期に本基準に適合するよう強力に指導するものとする。評議員についても同様とする。

福島県にあっては、財団法人福島県職員共助会を“強力に指導”してほしいものです。

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2009.05.19

所感(その4)

1 知事に請願がなされた場合において、請願法の規定に沿った適法な請願であることを確認したときは、その請願を受理する意思決定がなされるはずです。
2 受理された請願については、その効果として、知事は、誠実に対応する義務を負います。
3 誠実に対応する義務とは、具体的な応答義務までは意味しませんが、何もしないということは、一般には誠実な対応とは認め難いでしょう。
4 少なくとも、抽象的に、今後の業務の見直しの際の参考とする、という程度の対応方針の意思決定をすることが必要と思われます。
5 そして、そのような意思決定がなされれば、一般的には、その結果を文書に記録することになるでしょう。その記録は、起案書という正式な形をとる場合もあるでしょうが、単なるメモ書きのようなものになることも想定されます。いずれにしても、そのような記録がないと、後日意思決定の内容を確認することはまず不可能です。
6 その場合、起案書はもちろん、メモ書きも、条例上、「実施機関の職員が組織的に用いるもの」として公開の対象となります。
7 今回、、請願について、「“これを受理し誠実に処理し”たことを直接又は間接に推認することができる文書」の開示を請求したところ、「誠実に処理し」の部分についての福島県からの回答は、「請求に係る公文書については、作成していないため保有していません」でした。
8 福島県では一般に、請願法に基づく請願を受理して、その対応方針を決定しても、それを書面に記録することをしてないということでしょうか。常識では信じられないので、異議申立したところです。(→こちら
9 まだ応答はありませんが、結局、「作ってないものは何と言われようと無い」という回答になるのかもしれません。その場合は、作ってないこと自体がもっと問題ではないでしょうか。 

   福島県情報公開条例
 (定義)
第二条 (略)
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員(県が設立した地方独立行政法人の役員を含む。以下同じ。)が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
 一・二 (略)

※ 福島県のホームページには解釈運用基準が掲載されていなかったので、栃木県の例を引用します。

   栃木県情報公開条例第2条第2項の解釈及び運用の基準
4 「当該実施機関の職員が組織的に用いるもの」とは、実施機関の職員が組織的な業務の必要性から利用するものをいう。したがって、職員個人の検討段階にある文書や、職員が記憶しておくべき事項を個人的に記録したメモは含まれないが、こうした文書であっても、組織的な検討に付したり、組織の供覧に付した後はこれに該当する。具体的には、知事部局であれば、本庁課長又は出先機関の長が記録された内容を了知しているものはすべて該当するほか、それ以下の職位にある職員が専決又は代決により処理した文書あるいは、事務処理の結果を記録した各種の台帳等も該当する。作成又は取得された文書が組織的に用いるものといえるかについては、文書の作成又は取得の状況、当該文書の利用の状況、保存の状況などを総合的に考慮して実質的な判断を行うこととなる。

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2009.05.15

所感(その3)

所感(その1)と所感(その2)は福島県固有の問題ですが、次の問題は多くの都道府県に共通する問題でしょう。

財団法人を職員が組織する団体とみることができるか。

東北5県(宮城県は見つかりませんでした)の条例は次のように定めています。職員の互助団体を財団法人としている県では、条例の想定する“職員が組織した団体”と評価できないのではないでしょうか。

   青森県職員の互助団体に関する条例(昭和40年青森県条例第33号)
 (定義)
第二条 この条例において「互助団体」とは、県の職員及び市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条及び第二条に規定する職員が相互扶助による医療費の給付その他福利厚生に関し必要な事業を行なうため組織する団体をいう。

   職員互助会に関する条例(昭和25年岩手県条例第59号)
 (互助団体の定義)
第2条 この条例で、職員互助会(以下「互助会」という。)とは、この条例の定めるところにより、県又は国から給与の支払を受ける者で、次の各号のいずれかに該当する職員(常勤を要しない職員及び臨時的に任用される職員を除く。)をもって組織し、互助共済及び福利増進の事業を行うことを目的とするものをいう。
 (1)~(13) 略
2 略

   秋田県職員の共済制度に関する条例(昭和31年秋田県条例第25号)
 (組織)
第三条 互助会は、次の各号に掲げる者(以下「会員」という。)によつて組織する。
 一~四 略

   山形県職員の共済制度に関する条例(昭和36年山形県条例第5号)
 (構成)
第2条 互助会は、次の各号に掲げる職員ごとに組織するものとする。
 (1)~(3) 略
2 略

   福島県職員の互助団体に関する条例(昭和31年福島県条例第64号)
 (互助団体)
第二条 略 
2 福島県に勤務する職員又は福島県市町村立学校職員であつて次の各号の一に該当するものは、それぞれ互助団体を組織し、その会員となるものとする。
 一~三 略 
3 略

常識的に考えれば、職員が組織していると評価するには、団体の基本的な意思決定が民主的な手続により行われることが必須でしょう。
たとえば、労働組合が労働組合法上の種々の権利を行使するための組織的要件として、いわゆる組合民主主義が要求されています。

   労働組合法
 (労働組合として設立されたものの取扱)
第五条 略 
2 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。
 一~四 略
 五 単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。
 六・七 略
 八 同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。
 九 単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。

財団法人福島県職員共助会に評議員会なる組織がありますが、単なる建議機関にすぎず、そのメンバーも職員の選挙により選ばれるものではありません。結局、

財団法人という組織で、職員が民主的な運営を行うことは、制度的にありえない。

したがって、次の結論になります。

財団法人は、職員が組織する団体にはなり得ない。

これをクリアするためには、次のように条例の規定で、強引に“みなす”しかありません。

   東京都職員互助組合に関する条例(昭和63年条例第96号)
   附 則
 (財団法人に対する適用)
5 この条例の適用については、互助組合が所掌する事務と同様の事務を行うものとして東京都の出資を受け、この条例の施行の際、現に民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定に基づき設立されている財団法人であつて東京都規則で定めるものは、第一条の規定により設置された互助組合とみなす。

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2009.05.14

所感(その2)

今回、いろいろ調べていて、一番情けなかったのは、ほとんどの都道府県が職員の互助組織に関して条例を制定している中で、

唯一福島県だけが、条例の明文の規定で、職員の互助組織への強制加入を定めている

ことでした。
最近だと、地域活性化に関する条例などで、商店会への強制加入を義務づける条例の規定が検討され、憲法違反の疑いがあるのでやめる、あるいは努力義務にするという事例が散見されます。極めて常識的な判断でしょう。
福島県は、職員の互助組織に対する税制上の優遇措置の要件が資格者の全員加入であることから、単純にそれを条例で規定すればいいと判断してしまったと推理しています。他の都道府県も同じ状況にあるわけですが、さすがに憲法違反の疑いが強い規定を条例に盛り込むことははばかられることから、“運用”でなんとかやっているのだろうと思っています。

条例が議案として提案されるまでには相当数の職員が内容をチェックしていると推察しますが、福島県においては、誰もストップをかけなかったのでしょうね。あまつさえ、提案を受けた県議会も、県執行部への強い信頼があるからでしょう、そのまま議決してしまったわけです。
以来幾星霜、福島県の条例として堂々と公開しているのですから、情けない限りです。

もちろん、この事例をもって福島県の法務能力の“一斑全豹”はしません。“千慮の一失”と理解しています。

   福島県職員の互助団体に関する条例

 (互助団体)
第二条 この条例で「互助団体」とは、この条例の定めるところにより、職員が相互共済及び福利増進の事業を行うことを目的として組織するものをいう。
2 福島県に勤務する職員又は福島県市町村立学校職員であつて次の各号の一に該当するものは、それぞれ互助団体を組織し、その会員となるものとする
 一 地方職員共済組合福島県支部の組合員
 二 公立学校共済組合福島支部の組合員
 三 警察共済組合福島県支部の組合員
3 前項の規定にかかわらず、互助団体は、規約で定めるところにより、同項各号の組合員を相互に加入させ、又は加入させないことができる。

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2009.05.13

所感(その1)

今回の福島県との書類のやりとりで正直驚いたのは、財団法人福島県職員共助会が、

3年前まで県から交付を受けていた補助金の前提となる、
現に県の職員が同法人の事務に従事している前提となる、
現に県の施設を同法人が使用している前提となる、

条例で要求されている知事の承認を得ていることを推察できる文書が存在しないという事実でした。   (→こちら

これについては、

「任意団体である福島県職員共助会」が知事の承認を得ていて、その「任意団体である福島県職員共助会」の寄附行為により「財団法人福島県職員共助会」が設立されたことから、「財団法人福島県職員共助会」は「任意団体である福島県職員共助会」の得ていた承認を承継する

と県が考えているに違いないと推理しています。
ただ、この考え方は、あまりにも非常識です。だとすれば、ある会社が営業許可を得て事業を営んでいて、その会社が寄附行為をして財団法人を設立すれば、その財団法人が当該会社の営業許可を承継できることになってしまいます。相続でもなければ合併でもない。あり得ない理屈です。

そのような非常識な考え方で福島県が行政を行っていると想像するのも恐ろしいことですから、単に不注意で、関係書類を紛失したとすら考えたくなってしまいます。

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