所感(その1)と所感(その2)は福島県固有の問題ですが、次の問題は多くの都道府県に共通する問題でしょう。
財団法人を職員が組織する団体とみることができるか。
東北5県(宮城県は見つかりませんでした)の条例は次のように定めています。職員の互助団体を財団法人としている県では、条例の想定する“職員が組織した団体”と評価できないのではないでしょうか。
青森県職員の互助団体に関する条例(昭和40年青森県条例第33号)
(定義)
第二条 この条例において「互助団体」とは、県の職員及び市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条及び第二条に規定する職員が相互扶助による医療費の給付その他福利厚生に関し必要な事業を行なうため組織する団体をいう。
職員互助会に関する条例(昭和25年岩手県条例第59号)
(互助団体の定義)
第2条 この条例で、職員互助会(以下「互助会」という。)とは、この条例の定めるところにより、県又は国から給与の支払を受ける者で、次の各号のいずれかに該当する職員(常勤を要しない職員及び臨時的に任用される職員を除く。)をもって組織し、互助共済及び福利増進の事業を行うことを目的とするものをいう。
(1)~(13) 略
2 略
秋田県職員の共済制度に関する条例(昭和31年秋田県条例第25号)
(組織)
第三条 互助会は、次の各号に掲げる者(以下「会員」という。)によつて組織する。
一~四 略
山形県職員の共済制度に関する条例(昭和36年山形県条例第5号)
(構成)
第2条 互助会は、次の各号に掲げる職員ごとに組織するものとする。
(1)~(3) 略
2 略
福島県職員の互助団体に関する条例(昭和31年福島県条例第64号)
(互助団体)
第二条 略
2 福島県に勤務する職員又は福島県市町村立学校職員であつて次の各号の一に該当するものは、それぞれ互助団体を組織し、その会員となるものとする。
一~三 略
3 略
常識的に考えれば、職員が組織していると評価するには、団体の基本的な意思決定が民主的な手続により行われることが必須でしょう。
たとえば、労働組合が労働組合法上の種々の権利を行使するための組織的要件として、いわゆる組合民主主義が要求されています。
労働組合法
(労働組合として設立されたものの取扱)
第五条 略
2 労働組合の規約には、左の各号に掲げる規定を含まなければならない。
一~四 略
五 単位労働組合にあつては、その役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その役員は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票により選挙されること。
六・七 略
八 同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと。
九 単位労働組合にあつては、その規約は、組合員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと、及び連合団体である労働組合又は全国的規模をもつ労働組合にあつては、その規約は、単位労働組合の組合員又はその組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の支持を得なければ改正しないこと。
財団法人福島県職員共助会に評議員会なる組織がありますが、単なる建議機関にすぎず、そのメンバーも職員の選挙により選ばれるものではありません。結局、
財団法人という組織で、職員が民主的な運営を行うことは、制度的にありえない。
したがって、次の結論になります。
財団法人は、職員が組織する団体にはなり得ない。
これをクリアするためには、次のように条例の規定で、強引に“みなす”しかありません。
東京都職員互助組合に関する条例(昭和63年条例第96号)
附 則
(財団法人に対する適用)
5 この条例の適用については、互助組合が所掌する事務と同様の事務を行うものとして東京都の出資を受け、この条例の施行の際、現に民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定に基づき設立されている財団法人であつて東京都規則で定めるものは、第一条の規定により設置された互助組合とみなす。
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